在留期間更新とは、現在持っている在留資格の期間の満了の際に、在留資格はそのままで期間のみ延長することをいいます。
この手続きは、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することとされており、この相当の理由があるかどうかの判断は、以下の7つを考慮してされます。
1.行おうとする活動が入管法別表の在留資格に該当すること → 必要な要件
2.以下の在留資格の場合は、原則として法務省令で定める上陸許可基準に適合していること
「高度専門職」「経営・管理」「法律・会計業務」「医療」「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「興行」「技能」「技能実習」「留学」「研修」「家族滞在」
*上陸許可基準とは、日本の産業及び国民生活に与える影響やその他の事情を考慮した、その在留資格を取得するための基準のことです。(出入国管理及び難民認定法7条1項2号の基準を定める省令)
◎上陸許可基準は上陸時の条件であり、在留期間更新時は直接的な要件ではないが、実務上は斟酌される。これは、上陸許可基準は外国人が日本の経済や国民生活に及ぼす影響等を勘案して定められているものあり、この趣旨からすると、上陸許可以後の場面でも外国人にとって不合理な取扱いとならない限り、判断の考慮とすることに合理性はあると考えられるためです。
3.素行が不良でないこと
*素行が不良とは、退去強制事由になるような刑事処分を受けたり、不法就労をあっせんするなどです。
4.独立の生計を営むに足りる資産または技能を有すること
*申請人の日常生活において、公共の負担となっておらず、かつ、所有している資産や技能などから見て、将来において安定した生活が見込まれることが求められる(世帯単位でよい)。仮に公共の負担となっている場合でも、在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合は、その理由を考慮して判断することとなります。
5.雇用・労働条件が適正であること
6.納税義務を果たしていること
*納税義務を果たしていないことにより刑を受けている場合や、刑を受けていなくても高額の未納や長期間の未納などが判明した場合で悪質なものなどは、納税義務を果たしていないと判断される。
7.届出等の義務を果たしていること
*中長期在留者で、在留カードについての届け出義務の実行が必要です。
3~7については「適当と認める相当の理由があるかどうか」の判断にあたっての代表的な考慮要素であり、これら(1~7)全て該当する場合であっても全ての事情を総合的に考慮した結果、変更を許可しないこともある。
≪在留期間内に更新申請し受理されたが、審査中に在留期間が経過した場合の特例措置≫
在留期間更新許可申請後、現在の在留資格の在留期間の満了の日までに結果が出ないときは、在留期間の満了後も、結果がでる日または在留期間満了の日から2か月を経過する日のいずれか早い日までの間は、引き続き現在の在留資格をもって日本に在留することができる⇒不法滞在とはならない
この際、申請済みのスタンプが押されているパスポートを携行することがお勧めです。これにより、不法滞在状態ではないことが判断できるからです。
●特例措置の適用要件
1.現在の在留期間満了日までに在留期間更新許可申請をしていること
2.申請に対する許可、不許可の処分が現在の在留期間満了日までになされていないこと
◎この期間中は就労系の在留資格であれば引き続き働ける
◎在留期間満了前に得ていた、資格外活動許可も有効
(H22年7月1日以前に資格外活動許可を得ていて、資格外活動許可の期限が在留期間満了日となっている場合は、特例期間内に資格外活動を行うためには新たに許可が必要となる)
◎特例期間中も1回限り、再入国許可を受けれる
●特例措置期間中に在留期間更新許可が出た場合
許可が出た日⇒許可証印受領日を起算日として新たに付与された在留期間がスタートすることになる
●特例措置期間中に不許可となった場合
入国管理局より申請人に出頭を求め「通知書」を手渡し、当初の申請内容では許可できないことを告知する
申請人に申請内容変更申出書を提出させることで、出国準備のための「特定活動」へ在留資格変更を許可する
◎出国準備のための「特定活動」は通常1か月程度の期間
◎出国準備のための「特定活動」へ変更しない場合は、不法残留者として退去強制手続きがとられる(入管法24条4号ロ)
その為、出国準備のための「特定活動」へ変更し、入管担当者より不許可理由について詳細に聞き取り、可能性があれば指定された点を是正、補充し、「特定活動」から再申請するのが得策です。
【申請について】
*申請期間
在留期間の満了する日以前
(6か月以上の在留期間を有する者にあたっては在留期間の満了するおおむね3か月前から)
*申請者
1.申請人の外国人本人
2.代理人(申請人本人の法定代理人)
3.取次者
○地方入国管理局長から申請取次の承認を受けている者で、申請人から依頼を受けた者
○地方入国管理局長に届け出た弁護士または行政書士で、申請人から依頼を受けた者
○申請人本人が16歳未満の場合または疾病(診断書等が必要)その他の事由により自ら出頭することができない場合には、その親族または同居者若しくはこれに準ずる者で地方入国管理局長が適当と認める者
◎申請人以外の方が申請を行う場合には、申請人本人は地方入国管理官署へ出頭しなくてもよいが日本に滞在していることが必要です(直接本人に尋ねたいことがある場合は出頭の必要もあります)
*結果が出たときの在留カードの受領者
申請者に同じ
(申請人本人の所属する企業、学校の職員、配偶者、子、兄弟姉妹等は、上記に該当しない限り在留カードを受領することはできない)
*手数料
許可されるときは、4000円(収入印紙で納付)
*必要書類
●申請書 1通

○申請人本人のみが撮影されたもの
○無帽で正面を向いたもの
○背景(影を含む)がないもの
○鮮明であるもの
○申請前3か月以内に撮影されたもの
●日本での活動内容に応じた資料を提出 → 法務省ページを参照
●在留カード 提示(在留カードの交付を受けている方の場合)
◎申請人以外の方が申請を行う場合は、在留カードのコピーを申請人に携帯させる(原本は申請人が申請に必要なため)
●資格外活動許可書 提示(この許可書の交付を受けている方の場合)
●パスポートまたは在留資格証明書 提示
●パスポートまたは在留資格証明書を提示できないときは、その理由を記載した理由書
●身分証明書など 提示(申請取次者が申請を行う場合)
以下の書類は該当する場合に提出する
●身元保証書(英語版)・・・入管法別表第二に定める在留資格の方の申請の際に提出
例)日本人の配偶者、日本人の実子、永住者の配偶者、日系人、日系人の配偶者
●外国人患者に係る受入れ証明書・・・入院して医療を受けるために日本に相当期間滞在しようとする場合に提出
*提出先
居住地を管轄する地方入国管理官署
*受付時間
平日 9:00~12:00 13:00~16:00
申請する手続により曜日や時間が決まっている場合もあり
*相談窓口
地方入国管理官署、または外国人在留総合インフォメーションセンター
*審査基準(上記をご参照ください)
出入国管理及び難民認定法別表第一の下欄に掲げる活動(外交及び公用の項の下欄に掲げる活動を除く)または別表第二の下欄に掲げる身分若しくは地位(永住者の項の下欄に掲げる地位を除く)を有する者としての活動のいずれかに該当し、かつ、在留期間の更新を適当と認めるに足りる相当の理由があること
*申請結果が出るまでの期間
2週間~1か月
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